こんにちは!
この記事では26日のドラフト会議でカープが“指名しそうな選手”を考察していきます
ドラフト会議がいよいよあしたとなりました!カープはすでに、1位入札選手を公表済みです。
青山学院大の常廣羽也斗投手についてはこちらの記事で紹介しています。
基本的にFAなどで補強しないカープにとって、そしてカープファンにとって年に一度の大イベント。さまざまなサイトやYouTubeで指名選手が予想されていますが、ここではあえて“この選手を指名して欲しい”という感情を全て取り払って、今シーズンのチーム成績やこれまでの指名傾向から現実的に“指名しそうな選手”を予想したいと思います。
前半では現在のチームの状況から補強ポイントを、そして過去の指名から指名傾向を読み解きます。
年齢分布と23年シーズンのポジション別起用選手
まずは現在のカープの年齢分布を投手、野手それぞれ見ていきます。まずは投手。
全体として活躍している投手は24歳以降、特に左は不足している感じがしますね。今シーズン、ベンチ入りの左ピッチャーが0人、もしくは1人だけという試合がありました。
年齢 | 右投げ | 左投げ |
~20 | 斉藤優汰(19)小林樹斗(20)中村來生(20)※ | 辻大雅(19)※新家颯(20)※ |
21 | ||
22 | 河野佳 | 玉村昇悟 |
23 | ||
24 | 遠藤淳志 大道温貴 藤井黎來 松本竜也 坂田怜※ | 黒原拓未 |
25 | アドゥワ誠 益田武尚 | 高橋昂也 長谷部銀次 森浦大輔 森翔平 |
26 | 森下暢仁 | 塹江敦哉 |
27 | 栗林良吏 島内颯太郎 | |
28 | ケムナ誠 コルニエル 中村祐太 | 床田寛樹 |
29 | 矢崎拓也 (アンダーソン) | |
30 | (岡田明丈) | |
31 | 中崎翔太 | 戸根千明 |
32 | 大瀬良大地 九里亜蓮 | |
33 | ||
34 | 野村祐輔 | (ターリー) |
35 |
続いては野手。こちらも高年齢化が進んでいます。また左右の偏りは顕著で22歳から29歳までの働き盛りの世代に右打ちの内野手登録が1人もいないのは改めて表にしてみると驚きです。
捕手 | 内野手 | 内野手 | |
年齢 | 右 左 | 右 左 | |
~20 | 高木翔斗(20) 清水叶人 | 内田湘大(19) 前川誠大(20)※ | 田村俊介(20) |
21 | 二俣翔一 | ||
22 | 持丸泰輝 | 韮澤雄也 | 木下元秀※ |
23 | 小園海斗 羽月隆太郎 林晃汰 | 久保修 名原典彦※ 中村貴浩 | |
24 | 中村奨成 | ||
25 | 石原貴規 坂倉将吾 | 矢野雅哉 | |
26 | 中村健人 宇草孔基 | ||
27 | 末包昇大 大盛穂 | ||
28 | 曽根海成 | ||
29 | (西川龍馬) | ||
30 | 三好匠 | 野間峻祥 | |
31 | 磯村嘉孝 | (マクブルーム) | |
32 | (デビットソン) 堂林翔太 | ||
33 | 上本崇司 菊池涼介 | ||
34 | |||
35~ | 会澤翼 | 田中広輔 | 秋山翔吾 松山竜平 |
続いてこちらはポジション別の先発起用選手一覧です。
今シーズンはマクブルーム選手の不調、ケガがあり一塁を固定できませんでした。チーム方針で相手の投手の左右に合わせた起用を行ったとはいえ一塁の運用からは苦しさが見て取れます。右打ちで二遊間を守ったのはベテランの菊池選手と上本選手のみ。2人は今シーズンも離脱があり、来年34歳を迎える中フル稼働は厳しくなってくることが予想されます。
C | 坂倉 102 | 会澤 39 | 磯村 2 | |||||||
1B | マクブルーム 60 | 堂林 37 | 松山 18 | デビットソン 12 | 林 8 | 坂倉 5 | 田中 1 | 末包 1 | 韮澤 1 | |
2B | 菊池 109 | 小園 11 | 羽月 10 | 上本 9 | 韮澤 3 | 矢野 1 | ||||
3B | デビットソン 88 | 田中 26 | 上本 13 | 林 9 | 小園 4 | 韮澤 3 | ||||
SS | 小園 56 | 矢野 33 | 上本 29 | 田中 23 | 韮澤 2 | |||||
LF | 西川 107 | 堂林 12 | 末包 10 | 大盛 7 | 上本 3 | 松山 2 | 田村 2 | |||
CF | 秋山 110 | 野間 19 | 上本 9 | 大盛 2 | 西川 2 | 中村貴 1 | ||||
RF | 野間 77 | 末包 27 | 堂林 15 | 中村 8 | 秋山 4 | 上本 4 | 田村 3 | 曽根 2 | 中村貴 2 | 大盛 1 |
DH | 松山 4 | マクブルーム 4 | 磯村 1 |
チーム成績 投手力は深刻な課題 野手は出塁意識の低さが目立つ
次にチーム成績を優勝した阪神と比較しながら見ていきます。
まず大きく差があったのが投手成績です。
防御率は全体でカープが3点20に対して阪神が2点66、先発防御率、中継ぎ防御率ともに開きがあります。特に先発防御率3点20はリーグ5番目の成績でした。QS率(クオリティースタート※)51点75パーセントもリーグ5番目と先発が試合を作れない試合が多かったことが分かります。
※6イニングを投げかつ自責点3以内。先発投手の好投の基準の1つ。
森下投手がケガで出遅れた中、九里投手と床田投手が年間を通してローテーションを守り2人とも防御率は2点代、重要な指標の1つWHIPはともに1点1と文句の付けようがない成績です。ただ規定投球回数に届いたのはこの2人だけでした。大瀬良投手は10月末に右ひじの手術を受けるという情報が出ていますので、来シーズンはより手薄になるのではと考えられます。
もちろん2軍成績を上げた小林樹斗投手や、ルーキーの斉藤投手が出てくる可能性はありますが現段階では未知数です。
次に打撃成績です。チーム打率はカープが2割4分6厘なのに対して、阪神は2割4分7厘とほぼ差はありませんでした。ホームラン数はカープが96本と阪神(84本)を上回っています※。にもかかわらず得点は阪神が555点なのに対してカープはリーグ5位の493点にとどまりました。
※日本人選手のみのHR数に絞ると阪神が70本(83パーセント)、カープが71本(74パーセント)なので日本人選手の長打力は劣っています。
ここまで差がついた理由はフォアボールの数ではないかと思われます。カープは早いカウントから積極的に打っていくバッターが多いこともあり(ベンチの指示も?)フォアボールはリーグ5位の347個、阪神は529個です。阪神は岡田彰布監督が年棒に反映するスコアのうちフォアボールの査定を上げるように球団に頼んだという記事が出ていました。出塁への意識という点が得点力の差につながっているいえそうです。
ただ、それに関しては最初から選球眼のいい選手を獲得するというよりも、チームとしての意識の問題と思われるのでドラフトの補強ポイントとはまた違った視点になりますね。
ここ数年の指名傾向
ここまでで年齢層としては20代の右打ち内野手がエアポケットになっていること、そして成績を見ると投手力には大きな課題があることが分かりました。では、前半の最後にここ数年のドラフト指名から指名傾向を読み取っていきます。
過去の指名は見やすくまとめてくださっている以下のサイトをご覧ください。
ウスコイ企画 日本プロ野球記録
過去の指名を見るとカープの指名傾向は以下のようにまとめられるのではと考えます。
- 1位は潰しのきく選手
- 2位は1位と同じく潰しがきく選手または球団独自評価で最も評価の高い選手
- 3位は残っている中で1番いい選手
- 4位はポテンシャル高校生枠 この枠から多くのプロスペクトが生まれている
- 下位指名は一芸型、特徴のある選手
まず、1位2位は野手なら高いレベルで三拍子そろうことが条件になっています。2020年は2位で牧選手が残っていましたが守備に懸念があったことから指名が見送られたといいます。三拍子タイプではない野手を2位以上で指名したのは2008年の岩本貴裕さんまでさかのぼります。投手も将来的に先発も中継ぎもこなせるような球に力強さのある選手を獲得する傾向にあります。
2位は独自評価路線も顕著です。2011年の菊池選手に2014年の藪田投手、18年の島内投手、19年の宇草選手、20年の森浦投手。各ドラフト当時は一見高値づかみでは?とも言われた指名もありますが評価している選手は他球団に指名される前に必ずこの順位でとると決めているように思います。
3位はわかりやすく、残っている選手の中で最も評価の高い選手をとっている傾向にあるとみられます。去年の益田投手はドラフト前は1位もあるのではないかという評価でした。20年の大道投手、16年の床田投手、13年の田中選手あたりもそうだったのではないかと予想できます。
4位はポテンシャル高校生枠です。2016年以降4位は7年続けて高校生(投手1人野手6人)です。しかもこの順位の指名選手からはプロスペクトが生まれやすい傾向があります。16年はすでに主力の坂倉選手、19年が韮澤選手、20年が小林投手、21年が田村選手です。ことしもこの順位は将来の中心選手へと成長する期待がかかる高校生を指名するのではないでしょうか。
下位指名は平均的に能力が高い選手よりも穴があっても一芸に秀でた、とがった選手を取るという印象です。特にここ数年はその傾向が強いように思います。昨年で言うと7位の久保修選手。肩を含めた守備はすぐに通用するといわれていました。21年の6位末包選手、粗さはあるが長打力は魅力的な選手で今シーズンその素質を開花させました。守備特化型の20年6位矢野選手、19年6位玉村投手は特徴的なフォームで早くから頭角を現しました。
これに加えて予想を難しくさせるのが人間性の評価です。これはおそらくですがカープは同じ評価で選手が並んだときにより人間性を評価した選手の方を指名しているような気がしています。(どこもそうかもしれませんが・・・)。こればかりは予想しようがないですよね。
ここまでことしのカープの現状や指名傾向を見てきました
次の記事ではこの結果をもとに私の指名予想を投稿します
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