みなさん、こんにちは。
この記事では私が長年勤めてきたスポーツ記者の仕事について説明します。
興味を持ってもらえるとうれしいです!
スポーツ記者の仕事って?
皆さんはスポーツ記者と聞いてどんな印象を持ちますか?
試合の後の選手を取り囲んでいる謎の集団。
神宮球場の試合後、ベンチから外野の方向に向かって監督や選手と
歩いて行く人たちを見かけたことのある方もいるかも知れません。
スポーツ記者の仕事は、アスリートやその関係者から話を聞き
それを新聞やテレビ、雑誌の記事にすることです。
どんな人たち?
スポーツ記者は大きく2つに分けることができます。
企業に所属して自社の媒体に記事を書いている“サラリーマン記者”と“フリーの記者”です。
このうち、プロ野球の現場で見かける記者はほとんどがサラリーマン記者です。
サラリーマン記者は主に、スポーツ紙、一般紙、通信社などに籍を置き
テレビは主にディレクターやアナウンサーが現場に取材に来ます。(NHKは記者もいる)
それぞれの会社に各球団ごとの担当、いわゆる“番記者”がいて日々ネタ取り合戦を繰り広げています。
番記者が世界一多いスポーツチームといわれるのが阪神タイガース
カープは地元紙の中国新聞は複数の記者がいるけど、平時は1人担当の新聞社もあり、大変です
どうやって記事を書くの?
スポーツ記者は日々選手や関係者の動静を確認しながら取材のタイミングを伺います。
取材には各社がそろって話を聞く“囲み取材”と1対1で話を聞く“個別取材”があります。
囲み取材は試合の前後や練習後などチームの広報が決めたタイミングで行われます。
ただ囲み取材で聞いた話だけでは各社同じ内容の記事しか書けませんし、
そもそも各社がそろっている場で本音を話す人はなかなかいないので、
いかに個別取材を行って、他社と差別化した記事を書くかが記者の腕の見せ所です。
新聞であればそれが一面に来るような記事を書けば“特ダネ”になります。
特ダネは一筋縄では取ることができず、地道に関係性を作っていく必要がありますが
選手から信頼を得て、「ここだけの話だけど」と大切な話しを伝えられたときは記者冥利に尽きます。
どうすればなれる?学歴は?
ここからはスポーツ記者になるための道筋や必要なスキルなどを書いていきます。
まず、スポーツ記者のほとんどは大学か大学院卒です。
サラリーマン記者が所属する企業はどこもそれなりに採用ハードルの高い会社が多く
新卒採用では4年制大学以上の卒業を条件としているところが多いのが現状です。
では、高学歴である必要があるかというとそれは一概には言えません。
企業ごとにもちろん基準は違うと思います。
大手一般紙や通信社、それにNHKあたりは東大早稲田慶応の出身者を今でも多く見かけます。
ただ地方の大学出身者でも選考を突破して現場に立っている記者は多くいます。
きれい事のように思われるかもしれませんが
スポーツへの情熱、なによりも他者と良好な人間関係を築けるコミュニケーション能力。
それを持っていれば採用試験をクリアする可能性は高くなると思います。
あとは強いて言うなら語学力は間違いなく磨いておいた方がいいです。
これについてはまた別の記事でもお話しします。
ちなみに、晴れて入社できても新卒ですぐにスポーツの現場に立つことは少ないんです
特に一般紙や通信社、NHKなどの場合は最初の数年は地方に出て
警察や行政の取材で実績を積んでからスポーツ担当になる記者がほとんどです
その分スポーツの現場にが優秀な記者が多いです
スポーツ記者の仕事って結局楽しいの?
ここまで読んで、「あれ?記者の仕事って思ってたより大変そうじゃない?」と
感じている方もいるかと思います。そのとおりです。決して楽な仕事ではありません。
野球担当になれば年中遠征について行って家を空けることは多いし、
なかなか取材相手の懐に食い込めずいい記事が書けないときは落ち込みます。
ただ、ハッキリ言わせてください。この仕事、めちゃくちゃ面白いです!
日々自分を磨く選手たちをそばで見て、そのわずかな変化に1番に気がつくことができる。
劇的なホームランを打った選手が打席で何を考えていたのか、
ズバッと当たった采配の裏でどんな駆け引きがあったのか、
それを実際に聞くことができるのは記者だけです。
そして担当チームの優勝や、選手の記録達成など歴史的な瞬間を目の当たりにすることもできます。
私はもう現場を離れましたが苦労の分だけ喜びを味わうことができる仕事だったと思っています。
スポーツの現場で働きたいなと思っている子どもたち、
今は関係のない仕事に就いているけど、スポーツの世界に興味がある社会人の方も
ぜひ目指していただきたいです!
少し時間をおいて記者の仕事シリーズ第2弾も執筆予定です
選手とどうやって関係を作るのか、特ダネが生まれる裏側などについて書こうと思います
またこのブログはスポーツに関わるほかの仕事についても
仕事内容ややりがい、どうすればなれるかなどについて書いていこうと考えています